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「山室の棚田」で田植え体験会が開催されました!/い~な 上伊那から転載 伊那市

2023.05.31

  • 活動報告

(上伊那地域振興局ブログ『い~な 上伊那』に掲載された記事を転載します。)

 

こんにちは、上伊那地域振興局農地整備課のCです。

“つなぐ棚田遺産”に認定された上伊那管内の棚田田植え巡りもいよいよ最後の3箇所目!
最後は、伊那市高遠にある「山室の棚田」で、5月27日(土)に開催された田植え体験会の様子をお伝えします!

山室地区では、高齢化や、担い手農家の減少、小区画・不整形の田んぼが多いなどの課題から、耕作放棄せざるを得ない農地を多く抱えていました。
このため、ほ場整備事業の導入や、中山間地域等直接支払制度を活用するとともに、地域一体となって農業を継続していくため、地元営農組織「農事組合法人山室」が設立されました。
この組織では、農地貸借や、市民農園(ふれあい農園)の開設、地元酒造会社と連携した地酒の商品化など、地域の資源を最大限に活用することで地域の活性化に貢献しています。

また、棚田オーナー制度(※)にも取り組んでおり、「消費者と生産者が互いに見える関係」を構築し、田植え、稲刈りなどのイベントを通して農村と都市住民との交流の場を提供しています。
※棚田オーナー制度…1区画につき一定の金額で田んぼのオーナーになってもらい、オーナーは農作業体験のほか、棚田で収穫されたお米をもらえる制度

令和4年3月には、全国各地の優良な棚田を選定する「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」にも認定され、引き続き県内のみならず都市部の人々にも地域の魅力を発信し、移住者の受け入れを見据えた「より住みやすい地域づくり」を目指します。

《農事組合法人山室の公式Facebookはコチラ!(外部リンクがひらきます)》
農事組合法人 山室(やまむろ) | Facebook

今回の田植え体験会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響から約4年ぶりに開催され、都市部からはイベントを楽しみに待ち望んでいた多くのオーナー会員が参加しました。

はじめに、農事組合法人山室の大塚代表理事から「食と農のつながりを体感してもらい、豊かな自然の中で楽しい時間を過ごしてほしい」と挨拶があり、市民農園へ移動した後、早速田植えがスタート!

代かきを終えた田んぼに入り、予め線上に引かれた溝へ手作業により苗を植えていきます。
オーナーの皆さんは、普段入ることのない、ぬかるんだ田んぼの中での作業に大興奮!
互いに声を掛け合い、楽しそうに苗を植えていきます。

一方子どもたちはというと、カエルやオタマジャクシ、イモリを見つけては楽しそうに追いかけていました。

夢中になって捕まえたたくさんのイモリ

また、この日は田植え機の乗車体験もでき、乗車した参加者は、スタッフに運転操作を教わりながら上手に苗を植えていきました。
子どもたちも普段乗ることのない機械に乗ることができ、とても嬉しそうでした。

みんなで一生懸命作業を行い、開始から約2時間、予定していた全ての苗を植え終わりました。

田植えの後は、地元のお母さん方の愛情こもった手料理を振る舞っていただきました!
タケノコ、フキ、セリ、イタドリ、山椒、鹿肉など、どれも山室で採れたものとのこと。バイキング形式でズラッと並んだ料理はどれも美味しく、オーナー会員の皆さんも箸が止まらない様子でした。
調理いただいた皆さん、大変ごちそうさまでした!

今回の田植えでは食用米のコシヒカリを植えましたが、山室にある約8割の田んぼでは、“ひとごこち”や“美山錦”、“山恵錦”などの酒米が生産されています。
それらを原料とした日本酒「やまむろ」は、高遠町の酒屋のみで販売されており、地酒として人気が高く、ブランド化・消費拡大に寄与しています。皆さんもぜひ一度ご賞味ください!

次回のイベントは、9月下旬に稲刈り体験会が開催される予定です。
皆さんもぜひ参加してみてはいかがでしょうか。