信州棚田ネットワークについて | 信州棚田ネットワーク

信州棚田ネットワーク

ABOUT US 信州棚田ネットワークについて

「信州棚田ネットワーク」は、棚田の保全団体や関係市町村、長野県がメンバーになって構成されています。
昨今、棚田では、オーナー制度の普及に伴って様々なイベントや保全活動が行われるようになりました。私たちは、より多くの人に棚田の魅力や大切さを知ってほしいと考え、信州の棚田に関するあらゆる情報をまとめ、発信、共有を行っていきたいと考えています。
信州棚田ネットワークの会員は随時募集していますので、棚田を保全したい多くの皆様の参加をお待ちしております。

信州棚田ネットワークの設立にあたって

長野県には、「日本の棚田百選」に認定された16か所の棚田をはじめ、広い県土に多くの魅力的な棚田があります。

棚田は、農作物の生産の場だけでなく、国土の保全、水源のかん養、良好な景観の形成、伝統文化の継承等の多面的機能を有しており、県民全体の財産です。

しかし、保全管理している農家の減少や高齢化等により、荒廃の危機に直面しています。

棚田を守り、次の世代に伝えていくことが地域全体の元気に繋がっていく、そんな取組が重要です。

県では、棚田保全団体等の情報の共有化を図り、信州の棚田の魅力を効果的に発信する「信州棚田ネットワーク」を設立し、県内外の棚田ファンを増やすとともに、多様な主体の連携・協力を促進して、棚田の保全と活性化に繋げることとしました。

「信州棚田ネットワーク」を一つのきっかけに、様々なイベントや企業・学校等との連携を通して、棚田地域と県内外の地域との交流を増加させ、棚田地域全体の活性化が図られるよう取り組んでまいります。

趣旨にご賛同いただき、参加していただいた関係各位には、改めて御礼申し上げるとともに、「信州棚田ネットワーク」の取組がさらに拡がり、棚田を保全する多くの関係者の皆様に活用されることを期待いたします。

平成31年4月1日
長野県農政部長 山本 智章

棚田で生まれ育くまれる日本の美を、未来へ

  • 信州の棚田

    多くの山々に囲まれ、複雑な地形を成す信州・長野県。この地形条件を克服し、それぞれの地域に合った農業を営むために、先人たちは多くの棚田をつくってきました。
    いまでも、県内の至るところで棚田を目にします。
    では、県内には、どれくらいの棚田があるのでしょうか?
    「棚田」の定義ですが、昨年施行された棚田地域振興法では、「傾斜地(傾斜20分の1以上)に階段状に設けられた田」とされており、一つの目安となりそうです。
    統計上で、県内の傾斜20分の1以上の水田面積は16,049ha(「第4次土地利用基盤整備基本調査(2001年 農林水産省)」)で、水田面積の 30.4%。県内の水田の約3割が棚田ということになります。(ちなみに全国では 329,242haで、14.2%)

  • 信州にある個性豊かな棚田たち

    信州には、「日本の棚田百選」に選ばれた16か所の棚田があります。その数は全国一。地域によって起源は異なりますが、横穴式古墳が組み込まれた“稲倉の棚田”は6世紀から7世紀頃ではないかと言われています。他にも、千年の里千代の“よこね田んぼ”、月の名所として知られる“姨捨”、石を積みあげた畦が特徴の“福島新田”など、地域によって文化や歴史は様々。信州には他にも魅力的な棚田が多く残っており、こうした豊かな個性も、棚田は大切な資産であると言えます。

  • 進む保全活動と課題

    棚田の保全は、オーナー制度の普及や保全団体の結成を通じて様々な取り組みが行われるようになりました。
    しかし、農家に限らず棚田がある集落全体の人口減や過疎化、高齢化は変わらず進んでいます。水源を管理する人手や改修にかかる費用も足りません。棚田の衰退は、日本の文化や原風景が損なわれるだけでなく、土砂崩れなど災害につながる危険もあり、社会全体の課題になっています。

  • 豊かな棚田を後世へ繋ぐために

    四季を通じていろんな表情を見せてくれる棚田は、ひとつとして同じものがありません。保全に関わる人や団体も様々で、映画や写真の撮影、田植えや稲刈りなどの農業体験、案山子コンテストや棚田キャンプなど、地域活性や交流の舞台になることも増えてきました。多様な機能を持ち、多くの可能性が残されている棚田。信州棚田ネットワークの取り組みを通じて、多くの交流が生まれ、美しい棚田の景観と伝統文化、歴史が後世に受け継がれていくことを願っています。