農水省の方々が県内4か所の棚田を視察されました | 信州棚田ネットワーク

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農水省の方々が県内4か所の棚田を視察されました

2021.12.01

  • お知らせ

長野県農地整備課のSです。

11月4日(木)、5日(金)棚田地域の振興に携わる農林水産省の方々が、県内4か所の棚田を視察されましたので、その様子をお伝えします。

各棚田での様々な保全活動の取り組みについて説明があったあと、ポスト棚田百選「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」の効果的な活用方法などについて意見を交換しました。


■稲倉の棚田(上田市)

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、2年連続首都圏の中高生の農業体験学習や、観光バスがキャンセルされ、資金不足に陥りましたが、クラウドファンディングを行い、目標金額を超える支援をいただけたそうです。

来年こそは問題なく農業体験や観光バス等を受入れられる状況になれば、とお話しされていました。


■姨捨の棚田(千曲市)

令和2年6月、文部科学省より姨捨の棚田を含む「月の都千曲」が日本遺産に認定されました。
もし農林水産省のポスト棚田百選に選定されれば、日本遺産と共にPRして盛り上げていきたいとのことです。


■山室棚田(伊那市)

農事組合法人山室が営農する山室棚田。

写真右側は棚田の法面です。大きさが伝わりますでしょうか?
この上の段も同じような規模の法面が続きます。

ほ場整備(区画を大きくすること)で田の一枚一枚も大きく、ダイナミックな棚田です。

棚田(農地)の保全には持続的な集落の形成が重要との考えから、定年退職された方やU・Iターン等の地域雇用の創出、買い物支援等地域活動にも取り組まれていました。


■中尾棚田(伊那市)

株式会社Wakka Agri(ワッカ アグリ)が営農する中尾の棚田。
無肥料無農薬で、胚芽の大きな「カミアカリ」という珍しい品種のお米を海外向けに販売しています。

棚田というと草刈りや水管理の手入れがしにくいなど、デメリットが多く挙げられますが、上流から流れてくるきれいな水を一番に使える点や、素晴らしい景観の中で作られている点が、海外で販売する際にPRしやすいとのことでした。

写真右 、(株)Wakka Agri 細谷社長が持つのは、カミアカリの玄米で作られた甘酒です。伊那市内の道の駅で販売されています。
海外のニーズに合わせた柔軟な発想で、栽培するお米の選定から加工品開発まで行われていました。

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県内には数多くの棚田がありますが、今回は時間の都合上、ポスト棚田百選エントリー予定地で棚田地域の振興に関する取り組みを実施している4つの棚田を農林水産省の方々にご覧いただきました。

※山室棚田、中尾棚田は十分な駐車場がありません。見学の際には近隣住民や農家の方のご迷惑にならないよう、ご配慮をお願いします。