11月18日(水)に千曲市戸倉創造館において、信州棚田ネットワークと千曲市の共催により、「オータムセミナーin千曲」を開催しました。
近頃、気温が低く寒い日が続いていましたが、この日は暖かく、爽やかな秋晴れの中での開催となりました。
このセミナーは、「魅力ある地域の宝“棚田”を活かそう!」と題して、県内の棚田地域の活性化を目的に開催したもので、信州棚田ネットワークの会員である棚田保全団体や市町村をはじめ、棚田の保全に関心のある地域、企業、学校などの大勢の方が参加しました。
最初に、基調講演として、関東農政局長野県拠点地方参事官室の丸山総括農政推進官から、昨年制定された「棚田地域振興法」の説明と施行後の状況を中心とした棚田の振興策について説明していただきました。
次に、事例発表として、千曲市姨捨棚田名月会の金井会長から、地元姨捨で「名月会」を結成した成り立ちや、「棚田貸します制度」などの取組事例を発表していただきました。
そのあと、千曲市歴史文化財センターの小野様から、姨捨棚田が今年の6月に日本遺産認定を受けるまでの歴史的ストーリーと、姨捨棚田の歴史文化について説明していただきました。
意見交換に移るまでの間、地元を中心に活躍されている「さらしな棚田バンド」の皆さんがミニコンサートをしてくださいました。
市内の小学校で歌われている曲もあり、4人で奏でるハーモニーが素敵でした。
また、会場外のロビーでは、地元企業による物販や、地元の屋代高等学校付属中学校棚田班の皆さんによる研究発表などが展示されており、セミナー開始前や休憩時間には、多くの人で賑わっていました。
最後に、事例発表者の金井会長、小野氏のお二人に、関東農政局長野支局長であり棚田地域振興コンシェルジュの石野氏、長野県農政部農地整備課長の飯島氏、千曲市経済部農林課長の荒井氏を加えた、総勢5名の参加者を中心に、会場参加者と意見交換をしました。
意見交換では、棚田保全団体や市町村、学校関係者などの様々な参加者が、人材や資金不足などの課題や官公庁に対する要望、今後の活性化に向けての対策について、自由に意見を出し合いました。
また、棚田での保全体験活動を一過性の取り組みではなく、継続的なものとしていくべきとの提言があり、各地の保全活動事例等の紹介・共有もされました。更に、棚田の保全活動について「健康」という視点からも、連携を図っていけるのではないかといった意見もありました。
長野県では、今後とも棚田地域振興法に基づく支援施策を有効活用するとともに、地域の農家や保全団体に加え、多様な立場・世代を含む多くの主体の連携を促進し、棚田地域全体の活性化が図られるよう取り組んでいきたいと考えています。
来年、またこのようなセミナーを開催した際には、ぜひ多くの皆様の御参加をお待ちしております。
一緒に棚田地域を盛り上げていきましょう!