こんにちは。松本地域振興局 農地整備課のT子です。
令和5年5月19日、麻績(おみ)村・市野川(いちのかわ)地区。
恵みの雨のなか「市野川(いちのかわ)棚田」で、スマート農機による田植えが行われました!
さて、市野川(いちのかわ)棚田をご紹介します。
東筑摩郡麻績(おみ)村市野川地区に位置し、広さ約19.7ha、水田204枚で構成される棚田地域です。
松本地域管内で「つなぐ棚田遺産」に認定されているのは、なんとココだけ!
今回の目的は、
「地域の皆さんが主体となって、今後の棚田保全活動の在り方を検討してもらうきっかけを作ること」です。
「棚田」の定義は、「地形が20分の1(約2.9°)以上の斜面に階段状に作られた水田」。
私たちに様々な恩恵をもたらす一方、地形的に生産条件が不利であることから、維持管理には労力・コストがかかり、保全管理者の高齢化・担い手不足も相まって、将来的な保全管理ビジョンを描きにくいというのが現状。全国各地で直面している課題です。
麻績村・市野川地区でも、同じ悩みを抱えています。
そこで、「スマート農業×市野川(いちのかわ)棚田」にチャレンジ。
(株)関東甲信クボタさまのご協力で、デモンストレーションのため、全自動運転田植機「Agri Robo(8条植え型)」をお借りしました。
ほ場をお借りしたのは、市野川地区で減農薬・減化学肥料農業等に取り組む団体「OMIMO」さん。
私たちは橋渡し役として3者でタッグを組み、「スマ農×市野川棚田」スタートです。
全自動運転田植機は、無人運転でカンタン・きれいに植付けでき、生産効率アップを実現してくれるスマート農機です。
手順は以下のとおり、「塗り絵」で例えることができます。
①塗枠を描く(=田植えの範囲を定める)
②色を塗る(=稲を植え付ける)
① 塗枠を描く(=田植えの範囲を定める)
GPS測位しながら、ほ場の輪郭をなぞり、植付けの範囲を農機に覚えさせます。
ほ場の形状が変わらなければ、データは来年も使用できます。
② 色を塗る(=稲を植え付ける)
①のデータを基に、田植え。
「農機がひとりでに走ってる?!」…ように見える、分かっていても不思議な光景です。
ハンドル操作なしに、きれいに植え付けられていますね!
15分もしない間に、植え終わりました。
傘を握りしめ、見守る地元の皆さん…
「奇術でも見ているよう」
「有人コンバインで難しい隅っこも、キレイに植わってる!」
実際に行ってみて分かった課題もあり、私たちも大変勉強になりました。
スマート農業の取組みは、まだまだ続きます。
これからも「市野川(いちのかわ)棚田」にご注目ください!!