福島棚田の概要
棚田面積 約18ha
棚田枚数 約400枚
平均勾配 約1/8
水 源 ため池
法面構造 石積みと土羽の複合
開発起源 江戸時代
石積みの福島棚田と復活
福島棚田は、県内では珍しく石積み(土羽の複合)でできた棚田です。
棚田のある長野県飯山市瑞穂地区福島集落は、石が多く産出される地域で、江戸時代に飯山藩の許可を得た入植者によって新田開発が行われ、石積みの美しい棚田が作られました。
後継者不足や山間部特有の悪条件などから耕作放棄地が増加し、美しい景観が失われていましたが、この原風景を再評価し地域資源を活かそうと、平成10年に地元有志14人で福島棚田保存会「棚田の里 三部」(以下「保存会」という)を結成し、翌 平成11年に耕作放棄地の約半分を復活させました。
棚田の復活や保全への取組が実を結び、平成11年7月には福島新田として農林水産省の「日本の棚田百選」に認定されています。
春先から田植え期までの水源は、山間部からの雪解け水により賄えますが、これ以降の時期は水の確保に苦労していました。平成13年より井戸や水路の整備を行い、平成15年にはため池の建設が行われ、田植え期以降も井戸から汲みあげた水をため池に貯水することが可能となり、慢性的な水不足を解消することができました。
棚田からの景観
平成26年には長野県の「信州ふるさとの見える丘」(ビューポイント)にも認定され、棚田からは正面に斑尾山、妙高山、飯縄山、黒姫山、戸隠山の北信五岳を一望でき、眼下には飯山の里山と千曲川が広がります。
地域で取り組まれている保全活動
棚田は地元小学校の農作業体験学習や食育の場としても活用されています。小学校の授業の一環で、生徒による田植え、稲刈り、ハゼ掛けの体験が行われ、自分たちで作付したお米が学校給食で出されています。
保存会が行う田植えや稲刈り体験イベントは、県内外から延べ140名が訪れる一大イベントになっています。(新型コロナウイルス感染拡大防止のため、令和2・3年度は中止)
田植えの経験のない子どもたちが、保存会のメンバーから教わりながら泥だらけで行う田植えは、都会では味わうことのできない貴重な体験です。
また、2002年に公開された映画『阿弥陀堂だより』で使用された阿弥陀堂のオープンセットが、現在も棚田の奥にそのまま残されており、観光名所となっています。
アクセス
北陸新幹線飯山駅から車で20分
上信越道豊田飯山ICから車で30分
駐車場
休憩小舎さんべ 約20台