稲倉(いなぐら)の棚田は、石積と土坡(どは)の巧みな調和で造られ、畦にあるいくつもの横穴式古墳と同居するという他にはない特徴があります。北アルプス、八ヶ岳連峰、美ヶ原などの山岳眺望と、眼下に広がる上田の街並みが、大小様々な棚田と織りなす壮大なパノラマは、息を呑むほどの美しさです。
みんなで守る(保全活動の特徴)
平成11年(1999年)の「日本の棚田百選」認定をきっかけに「荒廃農地が増えた棚田を昔の姿に戻したい!」という想いを持つ地元住民による「稲倉の保全と活性化をすすめる会」が発足。ボランティアによる荒廃田の伐採や草刈りを繰り返し、少しずつ綺麗な棚田が見られるようになりました。平成27年(2015年)には、地域・JA・行政の関係団体を統合し、「稲倉の棚田保全委員会」を設立、現在は、この保全委員会が中心になって保全活動を行っています。
また、より多くの方に関わってもらうため、棚田オーナー制度(カカワリ隊)として活動していただいたり、学校体験学習を積極的に受け入れています。これまでにない様々な企画に挑戦し、幅広い活動をするようにもなりました。その結果、多様な人材が保全活動に参加しており、保全委員のおよそ3割は非農家の方々です。



棚田ならではのアソビ・マナビ
棚田オーナー制度は、令和7年度より「カカワリ隊」と名称を変更し、より棚田に関わっていただけるようなしくみにしました。《農業体験コース》は、エリアオーナー、シェアパートナー、酒米オーナーの3つのコースを選択可能。田植え、稲刈りなどの農業体験をして、お米や日本酒を受け取れるコースで、例年大人気です。《協力金コース》は、農業体験はせず、棚田オリジナルグッズを受け取れるコースです。田植え・稲刈りなどの学校課外学習やビオトープでの自然観察・ネイチャーゲームなども受け入れています。
また、稲倉の棚田では、棚田が織りなす絶景の中キャンプを楽しむ「棚田CAMP」もお楽しみいただけます。



稲倉の棚田の1年間
- 4月〜新年度「カカワリ隊」活動開始
- 4月下旬:稲倉の棚田保全委員会総会
- 5月下旬:「カカワリ隊」田植え「お田植まつり」
- 5月~6月:田植え
- 6月~7月:「カカワリ隊」田の草取り
- 8月:ししおどし祭り
- 9月:案山子(かかし)設置
- 9月下旬:「カカワリ隊」酒米オーナー交流会
- 9月~10月:「カカワリ隊」稲刈り・はぜかけ
- 10月~11月:天日干し・脱穀
- 11月:「カカワリ隊」エリアオーナー・シェアパートナー交流会
- 1月〜3月:次年度「カカワリ隊」募集開始
棚田を楽しんでいただくために(お願い)
- 稲倉の棚田の保全活動に賛同いただける方は、稲倉の里交流館入り口にある「保全活動協力金」(中学生以上100円、撮影[高級撮影機器持参]500円)にご寄付をお願いいたします。
- 棚田は私有です。農地(田や畦)へは、勝手に立ち入らないでください。
- ドローン等で撮影される方は、事前に稲倉の里交流館にて撮影上の説明と許可証の交付を受けてください。
- 持ち込んだ物は、各自ですべてお持ち帰りください。