概要
姨捨(おばすて)の棚田は、長野県北部の千曲市にある棚田です。
一級河川である千曲川や、善光寺平と呼ばれる長野市を中心とした盆地を臨む標高460m~560mに、階段状の水田が約2,000枚(約64.3ha)に渡り広がっています。
JR姨捨駅から徒歩10分で行くことができ、電車を降りると絶景が広がります。
日本三大車窓のひとつで、棚田の景色を眺められるよう駅ホームの待合イスが、線路と反対向きに設置されている珍しい場所です。
また、姨捨スマートインターから徒歩15分に位置し、県内外からアクセスしやすい立地です(アクセス方法はページ下部にあります)。
田毎の月
姨捨の棚田は、平成11年に全国で初めて棚田として国の名勝(国が指定する文化財の1つ)に指定されました。指定名は、「姨捨(田毎の月)」です。
「田毎(たごと)の月」とは、大きさや形の様々な水田の広がる姨捨の棚田に、月が移りゆく様子を表した言葉です。日中の雰囲気とは異なる絶景です。
松尾芭蕉や小林一茶が訪れ歌を詠み、歌川広重が浮世絵として田毎の月を描いたことなどによって姨捨の棚田は広く知られるようになりました。現在では、全国放送で紹介されるなど、全国的にも有名な棚田となっています。
また、国の名勝指定と同じく平成11年には棚田百選に、平成22年には国の重要文化的景観に、令和2年には日本遺産に認定されました。 日本の農業の原風景として文化的景観の価値は高く評価されています。 これら数多くの認定を受けるまでには、先人が残した棚田を末永く残すために耕作者や保全団体の方々による努力の積み重ねがありました。
棚田貸します制度(オーナー制度)
現在も保全団体や千曲市によって継続している取組みの1つとして、棚田貸します制度(オーナー制度)があります。
棚田貸します制度とは、棚田の保全、都市と農村の交流を進めるための制度です。 私たちの主食であり、いつも身近にあるお米はどうやって作られているのか、生産者となって米作りを体験できます。制度の会員は田植え、草刈り、稲刈り、脱穀の各行事に参加し、収穫物(お米)はすべて会員のものになる仕組みです。行事への参加は自由で、収穫物のみ受け取るコースもあります。
現在は、約100組の会員が参加しています。 会員の中には、市内の小中学校や県外の中学校も含まれ、田植えや稲刈りを体験しています。棚田の耕作の継続にとって力強い応援者として、長野県内外の多くのみなさまに棚田のオーナーになっていただいています。
詳細は、千曲市ホームページをご覧ください。
千曲市HP 棚田貸します制度(オーナー制度)について
千曲市HP 「棚田貸します制度」よくある質問
棚田貸します制度年間スケジュール
4月下旬 |
現地説明会 |
5月下旬 |
田植え |
7月~8月 |
田の中の草取り、畦(あぜ)の草刈り |
9月下旬 |
稲刈り・はぜかけ、畦(あぜ)の草刈り |
10月下旬 |
脱穀、畦(あぜ)の草刈り |
11月上旬~1月下旬 |
棚田貸します制度申し込み期間 ※定員に満たない場合は随時募集 |
3月 |
申し込み結果通知発送 |
月の都 千曲-姨捨の棚田がつくる摩訶不思議な月景色「田毎の月」
「あん姫」が千曲市内の観光地を紹介(姨捨の棚田編)
名産品
姨捨の棚田で収穫されたお米を使用した日本酒「棚田」や、贅沢な甘酒仕込みの「姨捨アイス」などが販売されています。
「棚田」という日本酒は、食中酒と言われるほど食事の邪魔をせず、軽やかな味わいを楽しめます。口当たりが柔らかく、フワッとふくよかな米の旨みが広がります。
ネット販売も行っています。 販売会社 長野銘醸株式会社のHP
「姨捨アイス」は、姨捨の棚田の収穫米から作られた甘酒に、ココナッツミルクなどを配合した優しい味わいのアイスです。
セブンイレブン戸倉若宮店、ヤマザキショップ千曲市役所店(千曲市役所内のコンビニ)、長野県中条村の道の駅、棚田貸します制度イベント時の露店販売で購入できます。
また、ふるさと納税として、インターネット上でお買い求めいただけます。
棚田をご利用時のお願い
- 棚田にはゴミ箱がありませんので、空き缶やペットボトルなどのごみは各自でお持ち帰りください。
- 畦(水田を取り囲む土の壁)には入らないでください。
- 写真を撮影する際は、写り込む方に了承を得てから撮影してください。
アクセス
車でのアクセス
長野自動車道 更埴ICより 車で15分
長野自動車道 姨捨スマートIC(ETC専用)より 車で10分
電車でのアクセス
JR篠ノ井線 姨捨駅より 徒歩で10分
しなの鉄道 屋代駅より 車で15分
戸倉上山田温泉より 車で15分
駐車場
姨捨観光会館(駐車料金無料) 約50台
新雲井橋近くの駐車場( 駐車料金無料 ) 約30台