飯沼の棚田 | 信州棚田ネットワーク

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飯沼の棚田 中川村

飯沼の棚田の概要

棚田面積   約2.6ha
棚田枚数   34枚
平均勾配   約1/6
水源     湧水
法面構造   石積み・土羽
開発起源   不明

地域の概要

中川村にある飯沼地区は天竜川左岸の段丘上に位置し、丘陵地や扇状地などの変化に富んだ地形からなっています。

主に山間部の傾斜地では果樹が栽培され、天竜川沿いの平坦地の他、一部の傾斜地(棚田)では古来から米栽培が行われてきました。

近年、過疎化や高齢化が進むにつれて、耕作条件が厳しい棚田では荒廃農地が広がり、棚田の景観が廃れ始めていました。


研究会の立ち上げ

そんな中、地域一体となって棚田を守っていくことを目的に、平成16年に地元有志による「飯沼農業活性化研究会」を発足しました。
約18年にわたり営農を担ってきましたが、高齢化や人手不足の中、地元農家だけで棚田を維持管理していくには限界があり、令和4年2月をもって解散しました。


地元企業の参入、協議会の設立

以降は、地元企業の伊那食品工業株式会社(伊那市)のグループ会社である、有限会社ぱぱな農園が令和4年からバトンを引き継ぎ、元 飯沼農業活性化研究会会員による営農指導のもと、地域一丸となって保全活動に取り組んでいます。

また、令和5年には産官民で構成する「飯沼の棚田地域振興協議会」が設立され、毎年田植えと稲刈りの時期には、関係者をはじめ、地元のみなさんや伊那食品工業株式会社の新入社員の協力により作業を行っています。

棚田からの景観

伊那谷を壁のように貫く中央アルプスや、天竜川がつくりだした河岸段丘の農地、段丘林などの雄大な自然を見渡すことができます。

「日本で最も美しい村連合」に加盟する中川村は、この棚田を「美しい村なかがわ36景」に選定しており、村の代表的な景観スポットとなっています。

令和4年3月には、その美しい景観が評価され、全国各地の優良な棚田を選定する「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」に認定されました。


棚田から生まれた商品

飯沼の棚田では、全ての田んぼで酒造好適米「美山錦」を生産しています。

美山錦は、地元の酒造会社で、伊那食品工業株式会社のグループ会社でもある米澤酒造株式会社(中川村)が醸造する特別純米酒「今錦おたまじゃくし」の原料になります。

「今錦おたまじゃくし」は、飯沼の棚田の酒米のみを使用した希少価値の高いお酒としてブランド化され、平成20年の発売以降、根強い人気を誇っています。

美しい農村景観を将来に残すため、引き続き産官民一体となって棚田の保全に取り組んでいきます。

詳細情報

アクセスマップ

保全団体

有限会社ぱぱな農園
住所長野県上伊那郡中川村大草1008
ホームページ有限会社ぱぱな農園
ホームページ米澤酒造株式会社