松本地域振興局 農地整備課のKです。
令和5年8月6日、松本市四賀地区の保福寺の棚田に、色とりどりの七夕飾りが並びました。
これは、四賀棚田復活プロジェクトのメンバーである保福寺町住民、農業生産法人かまくらや、(株)石井味噌、松本大学が協力して、失われた伝統行事を復活させようと企画されたものです。
この日は、約30本のササに、地域の保育園児、小学生、中学生、地元住民、松本大学の学生などの願い事が書かれた約800枚の短冊を飾り付け、棚田の畦道に立てる作業が行われました。
この行事は、昔は保福寺地区の各家庭で行われていたもので、旧暦(月遅れ)の七夕に合わせ、8月6日に稲の朝露を採って墨をすり、それで短冊に願い事を書いて3日間家に飾り、8日に田んぼの畦に立てて、害虫の予防などを祈願していたものだそうです。(ひらひらと短冊が舞うため、実際に鳥よけには効果があるとか)
近年は、棚田の荒廃などにより行事が途絶えていましたが、棚田復活プロジェクトの中で行事を再現し、もう一度復活させようと、昨年から取り組まれています。
地域の中心メンバーの佐々木さんによると、「昨年よりも参加者が増え、飾り付けもきれいになった。年々より良いものにして、地域で盛り上げていきたい」とのことでした。
保福寺の棚田は、農業生産法人かまくらや(松本市)が中心となって荒廃地を再生した棚田で、江戸時代に造られた美しい石積みが特徴的です。現在は、地域住民と協力してきれいに管理されています。
メンバーの石井味噌(松本市)では、継続した取組のため棚田をビジネスにつなげようと、棚田米を用いた味噌を開発。この日も、作業の後にきゅうりとともに参加者に振る舞っていただきました。
地元住民と企業、学生が一体となり伝統行事が復活できたことで、地域の熱気がさらに高まっていく様子が感じられました。
四賀棚田復活プロジェクトの今後の活動に目が離せません!